私たちは、スポーツ選手の評価に関する研究を行っています。この研究において、大きく以下の2つのテーマを扱っています。
Player Impact Metricsの定義は以下の通りです。
選手がチームに与えた得失点への貢献度を測ろうとするパフォーマンス評価指標
本質的な選手評価にはこの要素が最も重要だと考えます。以下では、その理由を順を追って説明します。
ほとんど全ての球技には、競技構造から来る普遍的な原理原則が存在します。
その原理原則とは、
<aside> 💬 勝利至上主義を押し付ける意図はなく、あくまでプロスポーツを前提に記載しております。
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「競技構造と原理原則」から考えると、選手の価値はチームの勝利への貢献度であり、それはすなわち得失点への貢献度になります。
それでは私たちが普段目にしているスタッツというのは一体何でしょうか?
一言で言うと(競技構造の最下層にあたる)プレーの集計値であると考えています。
例えば、以下が該当します。
但しこれらはあくまで得点を取るため、もしくは失点を抑えるためのプレーであり、その集計値にすぎません。
さらに上記のような「分かりやすく、測りやすい」プレーであれば記録に残りますが、そもそも集計されないが得失点へ影響を与えるプレーも沢山存在しています。
例えば、以下が該当します。
これらは従来のスタッツには残りませんが、得失点=勝利への影響があることは間違いないはずです。
つまり従来のスタッツには下記のようなバイアスがかかりやすいという欠点があります。
私たちはこういった従来のスタッツの限界を踏まえ、その選手がコート/フィールド上に存在することで生み出した純粋な得失点への貢献度=Imapactを評価するための指標を開発しております。
<aside> 💬 従来のスタッツ(プレーの集計)上では平凡だが、チームに大きな貢献をした名選手は少なくありません。例えばNBAのシェーン・バティエやプレミアリーグのアンドリュー・ヘンリー・ロバートソンなどがいます。彼らはダリル・モーリーやリバプールの研究部門など、優れたデータアナリストによって発見された過小評価されていた才能の一例です。
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Player Impact Metricsの具体的なアウトプットイメージは図の通りです。
図の見方は下記の通りです。
このようにしてリーグにおける選手の相対的な貢献度を可視化することができます。
<aside> 💬 あらゆる粒度/時間軸で貢献度を算出することができます。例えば3-5年単位での長期的な評価、1年単位での中期的な評価、あるいは数か月や試合単位での評価などで算出することができます。
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